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町のゆたかな土壌を、
農業人を、育む。
くにみ農業ビジネス訓練所 2022.09

町のゆたかな土壌を、<br>農業人を、育む。|くにみ農業ビジネス訓練所

お話ししてくれた方

(右)佐藤 博志さん
「くにみ農業ビジネス訓練所」の所長を務める。自身も訓練所の講師として、農作物の栽培方法など基礎的なレクチャーを行っている。

(左)佐久間 秀幸さん
国見町出身。子育てがきっかけで、2022年4月に宮城県からUターン移住。新規就農を目指し、「くにみ農業ビジネス訓練所」に通いながら農業のノウハウを習得中。

現場で、実践により農業を学ぶ。

季節は、夏。ずらりと立ち並んだ農業用のハウスをのぞくと、中にはいきいきと育ったミニトマトや、きゅうり、なす、とうもろこしが実っている。そこには、野菜をやさしく手に取り、一つひとつ目にとめながら、世話をしている人たちの姿。誰もがまっすぐに、楽しげに、野菜と向き合っている。

ここは「くにみ農業ビジネス訓練所」。国見町で新規就農をめざす人や、スキルアップを望む就農者を対象に、農作物の栽培や農業経営に必要なスキル・知識を養う研修を行っている。国見町と言えば、特産品である「桃」を思い浮かべる人が多いかもしれないけれど、ここで力を入れているのは「野菜」の栽培。苗を植えてから作物を収穫・出荷するまでの期間が長い果樹に比べて、野菜は短期間で栽培・出荷でき、新規就農のハードルを下げつつ若手農家の育成に力を入れていきたいという町の期待が込められている。

ここでは座学でノウハウを学ぶだけでなく、実際に土をさわり、農機具を動かし、野菜を自らの手で育てながら、最終的には自立した農業経営をめざす。栽培した野菜は、すぐそばに建つ道の駅「国見あつかしの郷」で販売していて、農業の一連の流れを実体験できる研修プログラムだ。

Uターン移住し、
未経験から新規就農をめざす。

訓練所に集う人は、多くが農業未経験者。そのうちの一人、佐久間秀幸さんは国見町出身で、自然ゆたかな場所で子育てしたいという思いから、2022年にUターン移住した。農業に携わる前は、宮城県で空調設備に関わる仕事をしていたそう。もともと実家が果物とお米を栽培する農家だという背景もあり、自らも農業を始めるべく「くにみ農業ビジネス訓練所」への参加を志した。

「研修を通して野菜を育ててみて、今苦労しているのは害虫の対策ですね。人にとっても環境にとっても安全で、無駄のない農業をめざしています」

そう話す佐久間さんを、あたたかい眼差しで見守るのは「くにみ農業ビジネス訓練所」の所長を務める佐藤博志さん。

「今、国見町では少数多品目の農作物の栽培に力を入れているんです。この訓練所を開設して4期目になりますが、町で野菜づくりを始める方が増えたり、就農者の方がスキルアップのために研修に参加されたりと、国見町の農業の勢いが加速しているのを感じます」

国見のこれからを後押しする農業人。

国見町も例に漏れず、就農者の高齢化や農業の担い手不足が懸念されている。しかし、「くにみ農業ビジネス訓練所」が機能することによって、想いと志を持つ就農者の交流が増え、さらに近隣の自治体で活動する就農者との横のつながりも広がっている。

「農業はこの町の土壌であり、暮らしを支えるもの。自分たちの時代さえ良ければそれでいいっていう話ではないと思うんです。就農者どうしで連携して、みんなで農業を盛り上げていこうとする動きがあるのは励みになりますね。まずは独立して、自分がつくった野菜を出荷できるようになりたい。それが第一の目標です。ゆくゆくは、ジャムなどの加工品も手がけてみたいですね」

佐久間さんの挑戦は、はじまったばかり。これからの町の土壌となり活力となる農業人が、「くにみ農業ビジネス訓練所」の取り組みを通して芽吹こうとしている。

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町のゆたかな土壌を、農業人を、育む。|くにみ農業ビジネス訓練所

佐藤 博志さん 佐久間 秀幸さん

季節は、夏。ずらりと立ち並んだ農業用のハウスをのぞくと、中にはいきいきと育ったミニトマトや、きゅうり、なす、とうもろこしが実っている。…

2022.09ジェラート店

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2022.09一次生産者

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