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(読み仮名:しんざんじんじゃのおおかや・おおふじ)
藤田から、旧羽州街道の宿場である小坂に向かう県道沿い、大字鳥取字深山地内に、藤権現と呼ばれる鎮守深山神社があり、その境内に「大榧・大藤(おおかや・おおふじ)」がある。
明治のはじめに書かれた「信達二郡村誌」には、「年古びたかやの木が7株ほどあり、なかでも拝殿の南側には幹囲み約4メートル、枝の張り出しは南へ約14メートルの大きなかやの木がある。その下には見事な大藤が、角のない竜とその子竜どもがまつわりつくように地を這い、大榧の幹にからまりながら梢に達し、垂れ下がっている。そのほかにも藤の根がはびこり、もつれ合いながら7本の榧の木一面を覆っている」と誌されている。
榧・藤は、この地方では普通に山野に自生したり、観賞用に庭樹として植栽されているが、最近では深山神社の大榧・大藤のような、榧の老木群生地が少なくなってきており、藤も大藤の名にふさわしく、5月はじめの開花期には老榧の樹冠を覆った藤蔓から紫色の無数に下垂した花穂が咲き乱れて美しい。
(菊池利雄「ふるさとの文化財」(昭和60年1月15日『広報くにみ』139号)より抜粋)
指定別 | 町 |
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種別 | 天然記念物 |
指定年月日 | 昭和49年3月1日 |
所在地 | 国見町鳥取字深山地内 |
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